「へそまがりな絵」が、実際に暮らしの中にあったら、どんな雰囲気なのか──
昔の人たちの気持ちを少しでも想像することができたら、と考えて、掛軸を床の間に飾った写真を撮影し、「へそ展」の図録に掲載することにしました。
撮影の場所は、京都、南禅寺近くにある名勝・無鄰菴です。
先日、古書画屋さんで見せていただいて、出品が決まった長沢蘆雪の《猿猴弄柿図》。とてもアクの強い顔の猿なのですが、床の間にはすっと馴染みます。そして、なんとも品のある作品だということがわかりました。床の間の包容力、すごいです!
サイズを測るのも大事な仕事。
たくさん並んだ箱の中から、次に撮影する作品を、古書画屋さんに出していただきます。
無鄰菴は明治・大正時代の政治家山縣有朋の別荘でした。母屋・洋館・茶室の三つの建物と庭園から構成されていますが、何より素晴らしいのは、東山を借景に広がる庭園。ごく浅い水流がサラサラと流れているのが、とっても綺麗なのですが、これを保つため、日々、庭師の方々が手を入れているそうです。南禅寺界隈の別荘群では唯一、通年で公開されている庭園なので、今度はゆっくりと、訪ねて見たいと思いました!
(講談社図録制作チーム、久保)